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保育エピソード

リリーのこども園には、子どもたちと先生との、語りつくせないエピソードで溢れています。
どんどん成長していく子どもたち。その成長に重ねて、自分も成長していく先生。そうしたエピソードを、少しだけご紹介します。

先生にも
まるをあげる!

子どもたちのお昼ご飯が終わって、給食室にお茶のやかんを持ってきたM先生が、主任のN先生に言いました。
「今日、子どもたちに「まる」をもらいました。初めてです!」
少し目を赤くして、なんだかとっても嬉しそうです。
園では、クリスマス会で発表する劇の練習の真っ最中。子どもたちにお話を伝え、みんなの希望をできるだけかなえながら役を決め、せりふや動きを少しずつ練習していました。

M先生は子どもたちに、「今日の練習はこのくらいのまる。」「今日はこのくらい。」と、手で作ったまるをあげていたのです。まるは日に日に大きくなっていきました。

クリスマスも近づき、いよいよ明日が本番となった日。M先生が給食室に子どもたちのお昼のお茶を取りに行き、戻ってきた時に、子どもたち全員が席について、腕いっぱいに大きなまるをつくって待っていたのです。
先生がいない間に、子どもたちで相談したのでしょう。みんな、大きな声で言いました。
「先生にも、まるをあげる!」
M先生の目はうるうると、かすんでしまいました。

次の日、クリスマスの劇は大成功。先生だけでなく、お母さんの大半も、やっぱりうるうるしたフィナーレとなりました。

卒園するの、
やだなー。

2月の末、卒園までカウントダウンがはじまる季節。
年長組のKくんは、年少から通っていた子。見るもの、触れるもの、すべてが新鮮で、入園していっぺんで園が好きになりました。次から次と、知らなかった遊びがでてきて、歌をうたって、絵本を読んでくれる先生のことも大好きでした。

そのKくんが、自由遊びの時に担任のK先生のところにきて、ぼそっと言いました。
「せんせい、ぼく、卒園するのやだなー。幼稚園がいい。お別れするのやだ。」
先生はこういう時、嬉しいような、困ったような複雑な気持ちになります。でも、小学校には期待を高めて進学してもらわないといけません。
「小学校の庭は、もっと、もーっと広くて、友達もたーくさんできるんだって。幼稚園はずっとここにあるから、来たい時はいつでも遊びに来ればいいよ。」
「うん。」
会話はこれだけでしたが、先生にはKくんの気持ちが痛いほどわかりました。
それはK先生も、幼稚園を卒園する時に抱いた気持ちだったから。

今まで当たり前のように自分のまわりにいた先生や、友達や、環境や、出会いが、いつまでも永遠には続かないのだと、たぶん人生で初めて知った悲しみのようなものなのでした。

毎年、この時期になると、このようなことに気づく子がいます。保護者から、うちの子が夕食中に突然、「幼稚園からさよならしたくない。」と泣き出したんですとか、ある子は、「小学校の話はしないで!」と言いだしたとか、「別れ」という人生の真理のひとつに、悲しい気持ちとともに気づいた様子を伝えられることがあります。
でも、子どもたちは小学校で新しい友達ができ、新しい生活になじんでいくもの。先生は子どもたちの後姿を、ずっと見守り続けていくことになります。